NAXレビュー
-
麻倉 怜士
格調の高さがステイタスを物語るNAX

オーディオ・ビジュアル評論家
麻倉 怜士
Qobuzのハイレゾ音源で、NAXをチェックします。リファレンス曲は情家みえのアルバム「エトレーヌ」から「チーク・トウ・チーク」と、バレンボイム指揮ウェストイースタン・ディヴァン管弦楽団のラヴェル「道化師の朝の歌」。
ひじょうに品格が高いLANケーブルですね。もちろん、オーディオ的なワイドレンジ感、クリヤーさ、レスポンスの俊敏さ……などの個個の音響的要素が十分以上であることに加え、トータルな統合感がとてもに高いです。端正さや端然さが音からにじみ出るようなハイクオリティさは、別格と言えるでしょう。
「チーク・トウ・チーク」では冒頭のアコースティック・ベースとピアノの絡みの密度感が格段に高い。初めに発音する「Heaven」には、作者の私はやや苦みを入れたのですが、そのテイストはとても心地好いです。上質な味わいがある苦みです。二番目の優しく、スウィートな発音のHeavenはまさに耳の快感。個個の楽器、ヴォーカルの鳴り、歌いっぷりが精妙なのは当然として、各プレーヤーのグルーブのベクトルが同じ方向に向いていることが聴き取れました。それも「統合感」ですね。ヴォーカルのグラテーションはたいへん緻密です。
「道化師の朝の歌」も高品位。まず音場の深み。奥に位置する金管までの距離が、明確に分かります。空気が厚く、ピチカートが空間を割いて飛んで来きます。トゥッティでは爆発的な量感と、整然とした質感が同時に聴けました。オーケストラの各楽器の総和が織りなす音のタペストリーが明瞭ですね。音色はカラフルにして、同時に風格も感じられるのです。
音の安定感、盤石感の上に、緻密なグラテーションを描き、格調の高さがステイタスを物語る、まさにハイエンド的な超越性を持つLANケーブルと言えるでしょう。
オーディオ・ビジュアル評論家
麻倉 怜士






