NAXレビュー
-
小原 由夫
3次元的なパースペクティブが広々と立体的に展開するNAX

オーディオ評論家
小原 由夫
私はこれまで自宅システムでエイム電子のNA9をメインで使用してきたが、NAXをそれと置き換えて心底ビックリした。というのも、NA9とNAXの違いは、OFC単体導線の国産純銀コーティングと、シールドの片側非接地によるアシンメトリー構造ぐらい。「パルシャットMU」4層シールド構造もテレガートナー製RJ45端子も含め、その他は同一仕様。それでも絵も音がこんなに違うとは!
音で驚かされるのはトランスペアレンシーの高まりが半端なく、微かなディテイル情報が浮き彫りになることと、3次元的なパースペクティブが広々と立体的に展開することだ。ヴォーカルはより生き生きとした表情がわかるようになり、語尾のアクセントやイントネーションのニュアンスが一段と精妙になった。楽器の質感再現も同様で、微細な抑揚感や強弱が克明だ。それを喩えるならば、川面から見た流れの透明度が上がり、川底の様子が具に見て取れるようになったといえる。
ストリーミングの映像コンテンツも観てみたが、圧倒的なコントラストレンジの拡大に唖然とした。白ピークが伸び、黒が一段と引き締まって暗部階調がより稠密になる。私は暗部のグラデーションが人一倍気になる質なのだが、配信映像の品位が伝送環境にこれほど大きく依存することを実感したのは初めて。
これまでフラグシップを張っていたNA9に対し、同じ長さで価格は約2倍。しかしこの格差は只事ではない。もう元には戻せない。
オーディオ評論家
小原 由夫




